遺産分割

WT税理士法人 遺産分割

遺産分割とは

遺産分割とは、相続人が相続財産の分け方を決めることです。
人が亡くなると、その人の持っていた財産を誰かが引き継ぐことになります。

誰に引き継ぐかは、財産を持っていた人が遺言書で決めることができますが、遺言書がなかった場合、法律で決められた相続人(法定相続人)全員で、誰がどの財産をもらうのかを決めることになります。この手続きが遺産分割です。

遺産分割の手順

今まで様々な遺産分割の場面を見てきましたが、遺産分割は簡単ではありません。
遺産分割は、まず亡くなった方の財産をすべて把握するところから始まります。

みなさん、ご自分がどんな財産をどのくらい持っているのか、把握しているでしょうか。自分の財産のことだって、はっきりわからないという方も多いのではないかと思いますが、ましてや別々に暮らしている親や兄弟姉妹の財産のことなんて、わからないという人が多いもの。

「預金口座はこれで全部なのか?」「どんな生命保険に入っていたんだろう」
「確かゴルフ会員権があったといっていたな」などなど。
みなさん苦労して、財産を探し出します。お仕事をされている方で、お休みのたびにご実家で家探ししているとお疲れ顔でおっしゃっていた方もいました。

財産が出そろったところで、次に相続人全員で誰がどの財産をもらうのかを話し合います。
話しあいは、基本的には相続人全員があつまって行います、
相続人同士が近くに住んでいて、比較的時間も自由になる、という場合はまだよいのですが、そうでないと、休みの日に時間をとって、集まることになります。
何とか時間を作って話し合いをした結果、話し合いがスムーズに運べばいいのですが、そうでないと何度も話し合いを重ねることになります。

話し合いで財産の分配が決まったら、その内容を記した「遺産分割協議書」を作成します。この「遺産分割協議書」は不動産や自動車などの名義変更に必要となりますので、基本的には名義変更の必要な財産がある場合は必ず作成することになります。

遺産分割でもめてしまうことも

遺産分割は、話し合いで行うといいましたが、相続人同士の話し合いで分け方が決まらない場合は、家庭裁判所で「調停」や「審判」などの手続きが必要になることもあります。
いわゆる「争族トラブル」というものです。
家庭裁判所での「調停」にもつれ込んだ場合、解決まで約一年程度かかると言われています。また「調停」でも決着がつかない場合「審判」となりますが、こうなると長い時は3年以上かかるケースもあります。遺産分割は、トラブルになると精神的にも、時間的にも、金銭的にも大変な負担がかかります。
そうでなくても親族と諍いになるというのはつらいものです。

遺産分割トラブルで預金が引き出せない?!

遺産分割ができず、トラブルになると困ることがいくつかあります。
一つは、亡くなった方の預金口座からお金が引き出せなくなるということ

預金口座はその所有者が亡くなったことがわかると、凍結されて出し入れができなくなります。2019年の民法改正で、相続人が所定の手続きを踏めば、一定の預金を仮払いすることができるようになりましたが、それでもすべての預金を動かすことできません。

凍結された預金を動かすためには、誰がその預金を相続するのかがはっきりする必要があります。それがわからないうちに、特定の相続人に預金を渡してしまえば、あとから他の相続人に「なんで勝手にあいつに預金を渡したんだ!」と他の相続人から詰め寄られてしまうかもしれませんから、金融機関の対応は当然といえます。

遺産分割が整う前であっても、すべての相続人の同意があれば、預金を動かす手続きは可能ですが、遺産分割トラブルを起こしている相続人同士の場合、この同意さえも得られないということがあります。

遺産分割トラブルが長引けは、口座が凍結されたままとなり、生活費に困ってしまうということにもなりかねません。

遺産分割トラブルで相続税が高くなることも?!

相続税がかかる、という方は遺産トラブルによって、相続税が高くなることがあります。

相続税は、相続が開始した日の翌日から10か月以内に申告書を提出し、納税しなくてはいけません。相続税は負担の大きい税金ですが、税金を安くする大きな特例が二つあります。
配偶者(妻・夫)には相続税をあまりかけないようにする「配偶者の税額軽減」と亡くなった方の自宅の土地の評価を8割引きにしてくれる「小規模宅地等の特例」です。

これらをうまく利用することで、相続税を大きく減らすことができるのですが、遺産分割トラブルが長引くとこの特例が使えなくなってしまうのです。

この二つの大型の特例は、「相続税の申告期限内に遺産分割協議が整うこと」が条件の一つなのです。誰が何をもらうのかが決まらなければ、この特例は使えないのです。

実際、相続税の申告期限までの遺産分割ができず、泣く泣く高い相続税を払っている人はたくさんいます。救済措置として、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」という書類を付けて提出しておくことで、申告期限後3年以内に遺産分割協議が整った場合、特例を使った申告をやりなおすことができる可能性を残すことはできますが、それでも一度高い税金を払うのは大変なことです。

遺産分割協議を大切な家族にさせてよいのか・・

以上、簡単に遺産分割について、説明してきましたが、遺産分割協議は大変な作業です。
もちろん、何の問題もなくスムーズに済ませてしまった、という方もいらっしゃいますが、そうでない方も本当にたくさんいるのです。

大切な家族を失った悲しみの中、財産を探し出して、それをどう分けるかを話あう。これは想像するより大変な作業です。
できれば、大切なご家族にそんな思いをさせないでいただきたいと思います。
そうしないために、どこにどんな財産があるのかがわかるエンディングノートの作成と遺言書の作成をおすすめします。

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